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#10 ITエンジニアとして東京からロンドンへ|初めての転職で海外勤務を決めた理由

 

小渕 美由さん プロフィール

 国立大学の外国語学部を卒業後、新卒入社から5年間、独立系システムインテグレータでMicrosoft系のエンジニア兼プロジェクトリーダーを経験。アプリケーション開発に関するスキルやプロジェクトの経験は培えたものの、留学経験や英語力を活かせていなかったことから「海外転勤」を視野に入れたキャリアチェンジを模索。突然舞い降りたご縁から、同職種でロンドンという新たな地への転職を決断した。現在はイギリス在住3年目。


 イギリスでの生活にも慣れ、生き生きと働く姿が印象的な小渕さん。初めての転職でロンドンへ移住というチャレンジを選択した背景や移住後の生活についてお伺いしました。

 

『次の段階を目指せる』実感からはじまった転職検討

ー1社目でのお仕事と、海外勤務へ興味を持ち始めるまでの経緯を教えてください。

 大学での専攻だった英語や国際社会学を活かせるキャリアは競争率が高いこともあり、何か他にもスキルがあった方がいいと考えました。そこで最初のキャリアとしてITエンジニアを選択しました。大学卒業後は独立系SIerに入社し、約5年間Microsoft系のアプリケーションエンジニアとして働いていました。Microsoft製品を軸にしたアプリをBtoBサービスとして提供するのがメインの仕事です。しばらくは色々なプロジェクトに参画してITエンジニアとしてのキャリアを築くことに精一杯でした。一通り仕事に自信がついた時に一度は諦めた「英語を使って働きたい」という気持ちが大きくなり、転職を検討するようになりました。


ー転職活動について教えてください。他にはどういった選択を検討されていましたか?

 本格的に転職を考え始めたのは、最初の職場で培ったITスキルやプロジェクト経験により「何か次の段階を目指せる」と実感したときでした。はじめはコンサルティングファームや将来駐在も考えられる商社やメーカーなど、ITやエンジニアにこだわらずに別の業種・職種も視野に入れていました。英語を使いたい気持ちはありましたが、すぐに海外勤務という選択もそのときは考えておらず、まずは都内での転職を検討していました。方向性をもう一度考えなければというタイミングで、転職エージェントさんから日系企業のヨーロッパ現地法人でのポジションを紹介されたんです。

 私の専門領域のエンジニア、かつ英語スキルがあってロンドンで働ける人が募集されていました。これまで積んできた経験に加えて英語も活かせるし、何よりビザをサポートしてもらえる形で海外勤務ができる。チャンスだと思い、決断しました。


ー移住と転職と、大きな変化があったと思いますがロンドン移住時の生活はいかがでしたか。

 初めての転職、初めてのイギリス・ロンドン、初めての海外勤務と良い意味で緊張していましたが、転職先が日系企業で同職種だったため、職場や仕事内容にはそこまで大きな苦労はなく慣れることができました。日本でのサービスの質に慣れていたため、なかなか家のWi-Fiの工事に来てもらえなかったり、物価が高かったりと生活面での戸惑いの方が大きかったように感じます。

 ロンドンで働くといってもWork from home(在宅勤務)の影響や日系案件が多いこともあり、いい意味で変わり映えがないと思うこともありましたが、段々と面白みを感じることが多くなっています。

オフィス周辺 モダンと歴史が融合した景色
オフィス周辺 モダンと歴史が融合した景色

―移住してしばらく経った今、ロンドン移住に関するメリット・デメリットや思うことなどを教えて頂けますか。

 職場によると思いますが、ロンドンはとても働きやすいです。仕事第一というよりは、生活を中心にすることが当たり前であるため、長期間休暇を取ったり、定時で仕事を切り上げることが当たり前です。仕事中心の生活にならずに、日本にいた頃よりもゆとりのある過ごし方ができています。サマータイムで天気が良いときは、公園の芝生に寝転がって読書するのが楽しみです。週末+αでヨーロッパ旅行に行ったり、書店や美術館巡りをしたり、ミュージカルやバレエを観劇したり、生活面での娯楽はとても充実しています。やはり物価の高さはデメリットですが、国際都市なので日本人も住みやすく、私はイギリスの文学や歴史が好きなのでとても楽しく過ごせています。

週末旅行で訪れたBath イギリスならではの余暇
週末旅行で訪れたBath イギリスならではの余暇

ビザや永住権なども鑑み、つくるキャリア

―今後のキャリアについて、現時点で考えていることがあれば教えて頂けますか。

 IT以外の業種にも興味はあり、本業以外の活動も視野に、選択肢を模索中です。私のビザの種類では、現時点で大きく職種が異なる転職や副業をすることが難しいのがネックなるため、場合によっては日本の方がキャリアの幅が広がることもあります。将来的には大きなキャリアチェンジを検討していますが、次のステップとしてはイギリスの文化をより感じられる現地企業への転職を考えています。


ーロンドンに留まるか、日本へ帰国するか、あるいは他の都市に移り住むなど、今後はさまざまな選択肢があるかと思いますが、居住先についてのお考えをお伺いしたいです。

 ロンドンに来た当初から少なくとも永住権申請可能になる5年間は住みたいと思っていました。現在で約2年半経ち、現地人のパートナーと住んでいるので今後に関しては彼と相談して決めていきたいです。現時点ではロンドンに留まりますが、将来的にはライフステージに応じてヨーロッパ諸国や日本、イギリス国内の別の都市を視野に検討するつもりです。


ー小渕さんのように海外勤務・移住を目指している方へアドバイスやメッセージがあればお願いします。

 私自身、初めての転職で海外移住してイギリスで働くとは想像もしていませんでした。本当にご縁とタイミングに導かれたと思っています。周りのイギリス在住の日本人の方々をみていても、本当に様々な理由や背景があります。私の場合はロンドンでのポジションをゲットできたことで、学生時代の留学経験から得た英語力や国際経験、最初のキャリアで培ったITエンジニアとしての素養が繋がってしっくりきたと感じました。

 海外移住や勤務を日頃から視野にしていたわけではありませんが、その時々に目の前のことに夢中になれていたことが大きかったと思っています。海外勤務・移住に限らず、まずは実現したいと思っていることに近いことをしている方々に彼らのストーリーを聞いてみることがヒントになるのではと感じます。



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