
新藤 徳子さんプロフィール
慶應義塾大学法学部を卒業後、外資系金融業界でキャリアをスタート。Citiグループで営業、外国為替と新興国債券のセールストレーダーとして経験を積んだ後、INSEADでMBAを取得。卒業後はAmazonで社内戦略コンサルタント及びプロダクトマネージャーとして活躍。第1子の妊娠・出産を機に起業のための「脱サラ」をし、以後共同創業者として会社を2社立ち上げる。現在はビジネスコーチとして活動しながら、3児の母として家庭とキャリアの両立を実現。
三児の子育て、キャリア、趣味をバランス良く両立しながら、ウェルビーイングにも心を配る新藤さん。これまでのキャリアの歩みや、バランスを取るための日々の心がけ、生活面での取り組みについて伺いました。
キャリア形成の考え方
ー新藤さんは金融機関勤務、MBA留学を経てAmazonへ転職、その後複数事業の起業まで常に主体的にキャリア形成を進めてこられた印象です。新藤さんがキャリアの方向性を決める上での軸や考え方について教えて頂けますか?またそれは変化してきたものでしょうか。
ありがとうございます。私が大切にしているのは「成長機会」「家庭との両立」「社会への影響力」の3つです。金融機関でビジネスやお金の基礎力を養い、MBA留学で視野を広げ、Amazonでは実証実験を繰り返しながらデータに基づいたビジネスの進め方を大規模な事業で実現することを学びました。常に必要なスキルを考えつつ、家庭との両立を重視して最適な環境を選びました。起業を決意したのは、自分のビジョンを直接形にしたいという思いからです。軸は一貫していましたが、優先順位や具体的な目標は経験を通じて変化してきました。経験が次の選択を導き、多様なキャリアが形成されたと感じています。
起業家としての挑戦
ー起業の道へ進まれたきっかけについて、聞かせていただけますか?
INSEADでMBA留学中にヴィーガン(完全菜食)としての生活をし始めてから、私は世の中において「まだ誰も解決していない」あるいは「解決策が足りていない」ところを横目に、解決を受動的に願うタイプの人間ではないことに気づきました。
そして、そもそも留学した経緯としても、起業することに興味があったことに起因します。2020年に共同創業した「Ekolokal」は、サステイナブルな生活を日本で広めるためのプラットフォームでした。自分が当時veganになり、消費や食事に敏感になったことを背景に、日本ではvegan向けの選択肢が欧米と比べ少ないことに不便を覚えたことがきっかけでした。起業を始めるとどんどん面白くなり、一方で既に子供がいたこともあり、「会社員」「起業家」「母親」のどれかを諦めないといけないタイミングが来ました。その時に、「会社員」を辞めるという選択をとりました。

ー会社員を辞めたあとも、起業家と母親の両立は非常に多忙だと思います。どのように両立されていますか?
起業家としての時間も、母親としての時間も、「質」を意識しています。そして優先度の高いものに集中し、捨てるものを決める。いまも、3児の母として家庭とキャリアのバランスを取りながら生活していますが、その中でヨガや瞑想を通じ自分自身のマインドフルネスも大切にしています。この多面的な生活が、私の人生に深みを与えてくれていると感じます。
欲張りに、バランスよく生きる人を増やす
―現在の活動について教えてください。
現在はビジネスコーチとして、家庭や人生を「犠牲」にせずに起業、または既存事業を人生の中でのバランスを保ちながらも拡大させていきたい方々を支援しています。全員が自分に最適の答えを持っていながらも「モヤモヤ」や「〜でなければならない」というマインドが作る思考によってそれが見えなくなっています。それを「鏡」として映し出し、聞こえやすくすると受講される方の顔つきも去ることながら、人生やビジネスにおける変化が特等席で見えるのが仕事の最大の醍醐味だと思っています。今後もこうした形で、家庭もビジネスも自分時間も「欲張りに」全部バランスよく拡大する人をどんどん後押ししていきたい所存です。

メッセージ 『子供のロールモデル』でいること
―起業を志す方やキャリアと母親の両立をされている方にとって、徳子さんのキャリアはとても励みになると思います。最後にアドバイスやメッセージがあればお願いします。
持論ですが、母親としての最大の務めは「我が子に幸せになってもらう」ことをサポートすることだと考えています。そのためには仕事を扱いながら家族とも関わる「どっちもパワフルに100%で行うママ」像をロールモデルとして見せることが一つの解だと思っています。
わくわくすることや自分の理念を持つことで、どういった社会にしたいかが描けるようになると思います。「自分が欲しい未来を考えること」「挑戦を楽しむこと」「その生き生きとした姿を子供に見せること」を意識することでモチベーションの支えになると思います。キャリアについてお話したい方、ご相談をお待ちしています。ぜひお話しましょう。