
後藤 太郎さん プロフィール
九州大学大学院で食品製造工学を専攻。2023年に新卒でマルコメ株式会社に入社し、工場での生産管理や業務効率化に従事。2024年には第二新卒としてReGACY Innovation Group株式会社へ転職し、研究開発型スタートアップの創出と発展を支援する仕事に従事。
はつらつとお仕事について楽しそうに語る後藤さん。実は新卒時代には前向きになれないことも多かったといいます。そんな後藤さんに、キャリアチェンジに至るまでのストーリーを伺いました。
苦しさを経て気づいた自分の"熱いおもい"
ー新卒で食品メーカーに入社された背景と、当時のお仕事内容を教えてください。
特に深い理由があったわけではないんです(笑)。私は昔から、自分で限界を決めてしまうタイプで、夢や目標があっても「どうせ自分には無理だろうな」と思いがちでした。そんな性格もあって、大学院で食品関連の研究をしていた流れで、自然と食品メーカーという無難な道を選びました。新卒での仕事は、工場の生産管理や効率化業務でした。製造現場の中で効率化の機会を見つけ出し、改善策を提案・実行する役割を担っていました。
ー転職を考え始めたきっかけについて教えてください。
振り返ると、転職を考えた理由は三つあります。一つ目は、会社の風土や文化に対する理想とのギャップを感じたこと。二つ目は、自分のスキルや成長に対する焦り。三つ目は、「専門的で優れた能力を持つ人がもっと報われる社会をつくりたい」という、学生時代から持ち続けていたビジョンへの未練です。
新卒でなんとなく選んだ会社が、自分には合わない環境だったため、かなり苦しい思いをしました。そして同時に、自分が意外とビジョンや成長したいという熱さを持っているんだなと気づけました。この経験を通して、自分のビジョンや価値観に合う場所を探そうと決心しました。
明確になったビジョンを軸に見つけた、新たな仕事
ー転職活動の具体的な行動内容を教えてください。
転職活動を始める際、20人ほどのエージェントと話をしました。特に、自分のキャリア観やビジョンに合った職種を見つけることを重視しました。学生時代に人材系のインターンをしていた経験があり、エージェントの活用方法についてはある程度理解していたので、多くの選択肢を比較検討できたのも助けになりました。
転職を決意したのは7月頃で、9月から面接を受け始めました。そして12月には退職を決め、次のステップを在職中に見つけることを重視しました。退職後に活動すると精神的にも金銭的にも不安が大きいと考えたからです。
―現在のお仕事とそれを選んだ理由を教えてください。
現在は、大学や高専における研究の社会実装を支援するコンサルティング業務に携わっています。研究者など、優れた能力を持つ人が報われる社会をつくりたいという私の思いと、会社の取り組みが一致したことが選択の理由です。研究支援を通し、地域の活性化にも携わっており、今の日本において重要な取り組みだと考えています。

―現在の仕事に満足されていますか?
はい、とても満足しています。転職理由として挙げていた三つのポイントがすべて満たされているからです。具体的には、クライアントのことを本気で考える社風、自分の能力を引き上げてくれる業務の質と量、そしてビジョンの実現に繋がる環境が整っています。これらが高い満足度に繋がっています。
ー次のステップについて考えていることはありますか?
しばらくは今の場所でキャリアを積み重ねたいと考えています。長期的には、引き続きスタートアップの発展に関わる仕事を続けていきたいです。

思いを実現できる職場を本気で探す
ー後藤さんはビジョンが明確にありそれに沿ってキャリアの意思決定をしていると見受けられます。ビジョンはどのようにして形成されましたか?また、同じようにキャリアチェンジを考える人へのアドバイスをお願いします。
ビジョンを形成するにあたって、私は「人生の中でどうしても見過ごせない問題」を基に考えました。具体的には、自分が感情的に強く反応した負の経験を100個以上書き出し、その中で一番解決したい問題を決めました。その結果、「専門的で優れた能力を持つ人が報われる社会をつくりたい」というビジョンにたどり着きました。
キャリアチェンジを考える人に伝えたいのは、「どうせ~なんて」といった諦めの言葉を使わないことです。私も学生時代は、「そんなビジョンを実現できる会社なんてないし、仮にあっても自分には無理」と思っていました。でも、世の中を本気で調べてみると、自分にマッチする企業は必ずあるんです。そして努力すれば、そこに入ることもできます!
だから、今キャリアチェンジを考えている方も、ぜひ「どうせ~なんて」という言葉を捨てて前向きに考えてみてください。困ったことがあれば、ぜひ相談してください!